国土交通省では、道路をよりよくするための技術研究課題として「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」を募集しており、令和2年度から着手する研究課題として応募した『PC鋼材、定着具、鉄筋にステンレス鋼を用いた新たな高耐久プレストレストコンクリート構造の開発』が本研究課題として採択されました。
以降、令和4年度までの3年間にわたる本研究成果が、令和5年度の新道路技術会議による事後評価において優秀であると評価され、このたびの本受賞に至りました。
本研究では、プレストレストコンクリート(PC)構造の更なる高耐久化を目的として、内部鋼材のすべてに耐食性の高いステンレス鋼を用いるPC構造の開発・実用化検討を行いました。国立大学法人長岡技術科学大学、学校法人金沢工業大学、愛知製鋼株式会社、日鉄SGワイヤ株式会社、オリエンタル白石株式会社、株式会社エスイーが産学共同で取り組んだ結果、オールステンレス鋼材によるPC構造のプロトタイプの開発に成功し、その力学特性や耐久性、ライフサイクルコストなどの観点から、本構造の適用性の高さを示すことができました。
今後、本構造が厳しい塩害地域などで実用化されることにより、橋梁などのインフラ構造物の長寿命化に大きく貢献することが期待されます。