当社はこの度、一般社団法人漁港漁場新技術研究会(以下、「漁港漁場新技術研究会」)より、当社製品であるグラウンドアンカーを用いた岸壁や護岸の耐震・耐津波補強工法について評価証を取得いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.取得の背景および目的
近年、わが国では大規模地震、それに伴う津波の発生の切迫性が指摘されており、岸壁や護岸の防災・減災対策の強化が急務とされています。

(開発の目的)
当社のグラウンドアンカーを用いた岸壁・護岸補強アンカー工法は、その耐震・耐津波効果だけでなく、施工時の占有面積が狭いため、水産関連施設を供用しながらの岸壁・護岸の補強工事を可能とし、さらに条件によって従来工法より工期が短く済むため、施設への負担減少が図れます。

(評価取得の目的)
漁港漁場新技術研究会は、1985年に民間企業を中心として前身が設立され、漁港整備に関する新技術の研究開発や普及を目的とした団体です。平成26年度より新設された「水産公共関連民間技術の確認審査・評価事業」では、第三者機関の審査・評価によって民間事業者が開発した技術が水産公共事業に適用されやすい環境を整えることを目的として行われており、評価証の取得は当社技術の普及に大きな影響を与えると考えられます。


2.認証の内容
 

技術の名称    岸壁・護岸補強アンカー工法
(摩擦圧縮型・ナット定着グラウンドアンカーを用いた岸壁・護岸の補強工法)
審査・評価番号 第14-A-001号
審査・評価者 一般社団法人 漁港漁場新技術研究会
事業名 水産公共関連民間技術の確認審査・評価事業


従来、既設護岸や岸壁の耐震や津波に対する補強を施す場合には、土圧を軽減させるために背面土を軽量土等に置換する方法や護岸や岸壁の自重を増やすために腹付け等を行う方法により対応してきました。しかし上記の方法では、工事期間中に漁港施設の使用が部分的あるいは全面的に制限されます。

一方で本技術は、完全二重防食を施したグラウンドアンカーで護岸や岸壁にアンカー力を与えて補強するもので、①施工に必要な面積が小さく、岸壁の背面に施工の影響が及ばないため、既存施設を供用しながらの施工が可能 ②大規模な仮設が不要で、場合によっては陸上での施工も可能であることから、工期短縮・工事費縮減が図れる などの利点があります。

 
3.評価証取得日
平成27年6月16日

 
4.今後の見通し
平成26年度より新設された「水産公共関連民間技術の確認審査・評価事業」において、本技術が第1号として評価を取得したことを受けまして、当社の技術普及のみにとどまらず、今後も漁港・漁場・漁村および海岸等施設の整備や防災対策の強化に向け、さらに貢献してまいります。

 

※1.グラウンドアンカー工法
地中の岩盤層と地表面とを強度の高い鋼線で連結し、プレストレスを与えて斜面や構造物を安定化させるシステムで主に地すべり対策に用いられてきました。漁港施設では、岸壁・護岸の滑動や転倒防止のためにグラウンドアンカーで補強します。

※2.岸壁・護岸
岸壁とは、貨物などを陸に上げたりする船舶の係留施設のことで、護岸は波による海岸の侵食や崩壊を防止して背後用地を守るための施設になります。

※3.完全二重防食
当社のグラウンドアンカーは、鋼線をグリースとポリエチレン樹脂で二重に防食加工を施すことで、長期的な耐久性を確保しております。

 

以 上